月のサイクルと、その世界の片鱗
獅子座は非常に強い星です。
守護星に太陽をもち、古代より王権の象徴とされてきました。
占星術における獅子座のキーフレーズは「I create」———0からの創造を司ります。
獅子座の一つ前の世界に位置する蟹座は、この考え方とは真逆に近く、何よりも安心感に重きをおき、慣れ親しんだ場所で温まることを大事にします。
ただ、ある一定の期間を過ぎると、そんな「自分にとって優しい環境」に徐々に不安感を覚えるようになります。このままの自分じゃ、なんか駄目な気がする。もっと広い世界を知って、ここから出ていかなくちゃ......———そういって殻を破って外界に飛び出し、広大な世界を駆け回っていくのが獅子座の世界観なのです。
実際、獅子座の動きというのは孤高の営みそのもので、前例がない状態からゼロベースでものづくりを行います。慣れ親しんだ地を離れ、自分の頭と体と気力を使って、毎回オーダーメイド的に練り上げていくのです。そこには模倣がほぼ存在せず、体当たり的に物事に直面していきます。
そんな風に、獅子座の世界はそもそも物を生み出すのに痛みや労力を伴うことを知っています。
自分で手を動かし、ああでもないこうでもないと試行錯誤すること。人に頼らず、まず自力でやってみること。自ら足を運び、社会を創り上げていくことなど。“立ち上げ”の苦難を知っているのです。
ただ、周りから見ると獅子座が持つそうした苦労人の面がクローズアップされることは、そう多くないかもしれません。
骨太でしっかりとしている部分であったり、ハードシングスに前向きに立ち向かっていっている様であったり、そういった部分ばかりが注目されてしまうから。
あの人はしっかりしているから大丈夫。
何でもできてすごいよね。
そんな風に「大丈夫認定」されてしまいがちなのです。
ただ、当人は決して「大丈夫」なんかではなく、その他大勢の人と同様にしっかりと痛みを感じています。それどころか、なかなか人を頼れないがゆえに、強い孤独を感じることも多いかもしれません。
周りに人や仲間が沢山いたとしても、自分の弱さや考えを理解してもらえないとき、人は孤独を感じます。
むしろ、数の上では“ひとり”でなかったとしても、本質的に“ひとり”になってしまったときの方が心の痛みは深刻かもしれません。
ただ、こうした痛みを感じつつもしっかりと2本足で大地に立ち、目を背けることなく何とかやっていけるのは、他でもなく強い信念があるから。夢や目標、こうなりたいという強い意思———もっと言えばあなたをあなたたらしめる“プライド”が強固な下支えになり、辛い現実を持ち堪えさせてくれます。
獅子座の世界の歩き方
さて、前置きが長くなってしまいましたが、来る26日に獅子座の満月がやってきます。
遺産・継承・死などを司る、8ハウスでの満月です。
冒頭でお伝えした獅子座の世界観における満月は大きく2つの側面に別れるな、と考えています。
まず良い面としては、苦難が実ること。
あなたがこれまで耐えながら続けてきたものについて、一定の成果が認められたり、あるいは“王の位置”を手にするタイミングがやってくるときです。
もう少し現実レベルに落として言えば、社長・代表・リーダー・エース・チーフ・長・親・実権などのキーワードに代表されるように、何かしらの裁量権を行使し牽引していくタームに入ります。
遺産や継承のハウスになるので、先代から受け継いで新たな実権者になる、みたいなことも起こるかもしれません。ただ、この期間は振うことのできる力も肥大しやすい一方、先ほどお伝えしたようなプロフェッショナルゆえの孤独を感じるシーンも多くなるでしょう。
ネガティブな面としては、孤独に耐えかねて事切れてしまうことが増えがちな点。“ひとり”でやっていくことに力尽きて、エンジンがかからなくなってしまう、みたいなことです。
いずれにせよ、獅子座の世界に突入したときに再認識しておきたいこととして、以下のようなポイントがあります。
- 元来、人はひとりで生きて、ひとりで死ぬものだと再認識する
- それを理解したうえで、温かで建設的な人間関係を育む
- また、孤独の特性を理解して意識的に使い分ける
- 精神状態がヘルシーであれば、意図的に孤独の闘いを選ぶのは良い選択である
- 自分に厳しく、甘えを許さずに鍛錬する期間はあって良く、あなたを必ず強くさせてくれる
- 一方、精神状態がヘルシーでないのであれば、意図的に孤独の闘いを避けること
- 獅子座の世界は辛く厳しいから、つい自分に甘えを許さないモードに入っているのかもしれない
- 一人で溜め込まず、しっかりと人を頼ること。自己開示をすることがキーになってくる
- 元々、達成しようと見据えている目標値が高い可能性があるため、適度に緩めることも考える
- 高い目標に向かうことは崇高だが人生は長期戦。マイペースを保ち、近視眼的な思考を取り除く
- 自分が美学を感じるもの。これがあるから頑張れるものを、改めて可視化する
- いつでもそれを見て頑張れるような、“自分にとってのお守り”を心にとめておく
また単純に寒い季節要因も相まって、繊細な方は“何となくの孤独感”をいつも以上に感じてしまうことも多いかもしれません。
獅子座の世界に入ると、ついついプロフェッショナル的な色が濃く出てしまうから、もし辛くなった場合には蟹座の世界や牡牛座の世界に戻るようなこともしてみて欲しいです。
それは例えば、安心できる人と場所に一時的に帰って元気をチャージしてみることであったり、日々の闘い以外の部分(趣味や暮らしなど)を充実させてみることであったり。温かい食事や体温、キラキラした無邪気さを取り入れることだったりします。自分の身体に対しても、いつも以上に高品質な休息を与えることを大事にしてみてください。
以上、獅子座満月のメッセージでした。
どうかメリハリの効いた日々を送れますように。
ヘルシーな状態で、より良い自立が叶いますように。
marmin.