2024年4月24日:蠍座満月のメッセージ

4/24 8:50〜 蠍座満月


月のサイクルと、その世界の片鱗


12星座には「守護星」と呼ばれる、星座を守る「お守り」の惑星が割り当てられています。

例えば牡羊座なら火星、牡牛座なら金星、双子座なら水星......といったように。

そして、今回ご紹介する蠍座の守護星は冥王星です。

冥王星が発見されたのは1930年ですから、実はそれ以前は火星が守護星に割り当てられていました。牡羊座と兼用だったわけです。

また、各惑星にはギリシャ神話の神々が紐づけられており、冥王星には「ハデス」という神様が割り当てられています。

このハデスという神は地下世界の王様に就任しており、地底を統べるものとされています。ちなみにペルセポネという妻がおり、既婚です。

(※2人の結婚についても、実は色々ゴタゴタがあるのですが、今は一旦置いておきます)


基本的には夫婦揃って、死者の死後の運命を決定する仕分け作業を行っているようでして......

「君は生前こういう行いをしてたから、ここからはこんな運命になりますよ! ハイ、じゃあ次の方どうぞ〜!」と、そんな感じなのでしょうか。わかりませんけれども。

ただ、こうした神話が正しいという前提に立って、あるいは何かの寓意だとして話を進めると、ここで行われていることは、否応なしに「自己」を突きつけられる営みである、ということです。

自分はこれまで、こう生きてきた。こう過ごしてきた。だから次はこうなるよ、当然でしょ? この結果とよく向き合いなさいね、と。

これまでの自分の歩みを突きつけられた死者は、言い訳ができない。自分が一番、自分のしてきたことを知っているから。だから「はい...そうですよね......」と、自分のこれからを静かに受け入れることしかできない。

ショックを受ける部分も多分にあって、すぐに受け入れることはできないのだけれど、ため息なんかついたりしているうちに、なんとか「自分のこれから」を飲み込んでいく。

ピチョン、ピチョン、と雫が垂れる、薄暗く湿った地底湖のほとりにて。暗い地底の世界に腰をおろして、ぼうっと一点を眺めながら自分を見つめ直す。

蠍座の世界は、どこかこんなイメージで繰り広げられるものです。だから、蠍座は「修行者の星」ともいわれますし、悪い意味ではなく「憂い」を帯びています。

常に己と向き合い、何かをすり減らし、ヒリヒリ感を携えている——蠍座の人をみると、私はいつもそんな感覚を覚えます(蠍座の皆さん、お気を悪くされたらすみません。ネガティブな意味ではありませんからね)。

また、地底というこの世界の深部を象徴することから、深い感情や物事の根幹、憎悪や熱情といったキーワードも蠍座の管轄。プラスの感情も、マイナスの感情も、どっちにしろ「深い」というのが蠍座の特徴なのです。



Care



さて、今回の満月は蠍座の部屋で起こります。
満月は時満ちる刻、溢れ出す刻を示してくれます。

蠍座の世界と照らし合わせると、自分の心の奥底にある深い感情がドバッと溢れ出してくるような、そんなタイミングなのかもしれません。

同時に、自分はどうしていきたいんだろう、と少し立ち止まって考えるような、そんなバイオリズムも高まりそうです。

ただ、きっとそれは「自分と向き合おう❣️」と意識的に開始されるものではなく、知らぬ間に誘われるような始まりになるでしょう。

仕事が終わってソファやベッドにどかっと腰をおろし、何をするでもなく虚空を見つめ続けてしまう時間であったり。

やらなければならないことを放って、なぜかグダグダとスマホをいじり続けてしまう時間であったり。

そんなグダグダさえ煩わしくなって、枕や毛布に顔を埋め続ける無の時間であったり。

あ゛〜とか、う゛〜とか、疲れていないのに疲れているようなうめき声を上げてみる時間であったり。

そんな停留のムードをもってして、自然と自己との向き合いが開始されていくのがこの蠍座満月です。

そして先日、この蠍座満月は牡羊座新月の影響を受けるものである、というようなことを書きました。

2024年4月9日:牡羊座新月のメッセージ

4月ですから、環境が変わる人がいたり、何かが開始される状況にあったりと、ややバタバタっと動いてきた方は多いと思います(人によっては遠方への急な出発などもあったかと思います。これも牡羊座の管轄なので)。

そして今なお早いスピードで、周囲は、世間は、きっと動き続けているかと思います。

ただ、そんな忙しくノンストップな日々の中、いつのまにか疲れが溜まっていて「ちょっと自分はここいらで休憩しよう」と道を逸れたら、その先には静かな地底湖が広がっていた、みたいな感じがこの蠍座満月なのです。

ふと入ってきた入り口の方をみると、外は忙しなく、まだ動き続けている。ドタドタと道を駆け抜けて行く人が見える。

みんな体力があってすごいなぁ。けど、自分はなんか疲れたかもなぁ。いや、別に落ち込んでいるとかそういうんじゃないのだけど。はぁ。

と、そんなテンションで自分の内面と向き合うことが増えるかと思います。

ぐだぐだと書き連ねてしまいましたが、この「自然と開始される自己との向き合い」が今回のテーマです。

そして、蠍座満月だからこれをしたらよい!みたいなアドバイスは特にありません(というか、新月・満月ともにアドバイスらしいアドバイスはそもそもなくて、こうなりやすいときだよという天気予報みたいなものでしかないわけですが)。


ただ、強いていえば「意図的に静かな環境に身を置く」であるとか、「一人でぼうっとできる時間をつくる」だとか、そういう過ごし方はオススメだったりしますよ。

ちょっとぬるめのお風呂に浸かりながら、ぐで〜っとするとか、そういうのも蠍座満月っぽくてよいかもしれません。

私たちは機械ではなく人ですから、常に早く動き続けることはできないし、誰でもトップスピードを維持することはできません。

だからこそ、休憩のタイミングとしてこの蠍座満月を口実に、ゆっくりしていただければと思います。

そして、静かに自分を省みる時間としてみてください。

どうか落ち着くまで、ゆっくりゆっくりな日々を。

 

marmin.

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